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KYH さくら市 2006年12月竣工 設計施工段階の資料はこちら |
さくら市郊外、大手ディベロパーの開発した温泉付別荘地にたつ週末住
宅です。
この別荘地は1区画120〜150坪程度と別荘としては比較的狭い区画が中心となっています。
計画地は東北に傾く傾斜地で、南は35度に軸ぶれし奥に行くほど広い台形状の敷地になっています。
周囲の建物は敷地の大きさに対し非常に大きく、郊外の住宅地のような様相です。
そこで道路側からのボリュームを最大限抑え、敷地に沿うように建物を配置しました。
また、私共は別荘らしく、周囲を意識せず、自然を楽しめる建築にしたいと考えました。
東遠方には、隣地別荘の庭という空域を介して喜連川の田園風景が望めます。
北側は道路上部の空域を介して遊歩道の樹木群が望めます。
南側は台形状の敷地のおかげで比較的広い自分の庭という空域が残り、緑化可能です。
西側は床の高低差が連続するように、隣地へ空域が続きます。
風景を切り取り、残された空域に対して積極的に開口を設けること。
それによって、開放的でありながら周囲の建物を意識せずにすむ建築になっています。
長期間不在にすることが多い別荘なので防犯上の理由から雨戸の設置が
必要でした。
ふつうに雨戸をつけると野暮ったいデザインになりがち。
西側はロフト床部分に丁度かくれるようにシャッターを配置。・
南側はAGHでも行った既製品雨戸の引き込みをすることで、建物に深い表情を与えました。
東側は壁と同じ寸法の大きな雨戸とすることで、リビングからの開放感を失わないように配慮しました。
pic1 東南側より。リビングに続くデッキ・寝室の東壁・浴室コー
トが見える。
pic2 道路側より。雨戸を全て閉めた状態
pic3 道路側より。雨戸・格子戸を開けた状態
pic4 西南側より。シャッターによって防犯対策 喜連川の田園風景を望む。
室内は施主+2家族の宿泊を考慮して2LDK+ロフトに。
仕上げは全面杉板貼り。要素を極力減らし、杉板貼りでも野暮ったくならないように設計しました。
寝室は耐力壁の確保と、敷地内にたつ電柱をさけるため東面を壁とし上部採光を主とした閉じた部屋に。
pic5 リビング・ダイニング・和室を望む。
pic6 キッチンボックスを望む。塊を強調するためにキッチン壁のみタテ貼。
pic7 和室よりリビングダイニング・デッキ・喜連川の田園風景を望む。
pic8 寝室よりデッキを望む。トップライトによる採光が中心。
浴室は見晴らしの良い風景を楽しめる東側を望む位置に配置。
外部との緩衝帯・休憩スペースとして機能するコートを連続させた。
浴室本体は下部を黒色艶無タイル貼り、上部はヒバ貼りとし旅館にある心地よさを求めました。
男性なら、浴室から連続するコートで座るのも良し。女性は格子戸を閉めて空と風を楽しむように。
pic9 ロフト(ゲストルーム) 天井高は建築基準法によって決め
られた1.4m
picA ロフトよりリビングダイニング・デッキを望む
picB 浴室よりコートを望む。壁は米ヒバ。コートは格子戸によって視線をさえぎる。
DATA
建築基準法上床面積約24坪(他ロフト5坪) 敷地面積115坪
施工者;中村建設株式会社(宇都宮市中央/相見積)
2005年7月設計開始 2006年7月着工 2006年12月竣工
STUDIOPOH
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